静岡市美術館HOME > 過去の展覧会 > 「アルプスの画家 セガンティーニ−光と山−」展

アルプスの画家 セガンティーニ−光と山−

展覧会概要展覧会構成セガンティーニ略年譜関連イベント関連イベント


展覧会構成
ミラノとブリアンツァ:初期
肖像画
サヴォニン:山岳の光 1886年
マロヤ:アルプスの象徴主義
自画像
シャーフベルクでの死、マロヤでの埋葬

出品作品
ミラノとブリアンツァ:初期

《羊たちへの祝福》1884年頃 油彩・キャンヴァス セガンティーニ美術館(サン・モリッツ)
ブリアンツァ地方の町で行われる宗教儀礼の一場面を描いた作品。聖セバスティアヌスの日(1月20日)には、司祭が病気や事故から農民を守るため、羊たちに祝福を与えるという伝統がありました。画面中央左には、司祭と3人の従者がおり、今まさに天に祈りを捧げ、羊たちに祝福を与えているところです。

《白いガチョウ》1886年 油彩・キャンヴァス チューリッヒ美術館
セガンティーニの静物画の傑作の一つ。輪郭には「スフマート」というぼかしの技法が用いられ、また白い背景の前に白いガチョウを置くなど、様々なニュアンスの白の色調を用いて、羽毛の材質感を表現しています。

肖像画

《カルロ・ロッタの肖像》1897年 油彩・キャンヴァス オスペダーレ・マッジョーレ(ミラノ)
ミラノのオスペダーレ・マッジョーレ(施療院)の創立者の肖像。
晩年のセガンティーニ唯一の注文による制作です。この作品は、純色を線状に分割して画面に並置していく、セガンティーニ独自の色彩分割技法が用いられています。窓の向こうには、セガンティーニが好んで冬に滞在した、ソーリオの夜景が広がっています。

サヴォニン:山岳の光 1886年

《アルプスの真昼》1891年 油彩・キャンヴァス
セガンティーニ美術館(オットー・フィッシュバッハー財団より寄託)
アルプスの高原風景をセガンティーニ独自の色彩分割技法で描き、明るい画面に仕上げています。中央の女性のモデルは、セガンティーニ家の子守だったバーバ・ウーフェルで、彼女は多くのセガンティーニ作品に登場しています。

《水を飲む茶色い雌牛》1892年 油彩・キャンヴァス
セガンティーニ美術館(オットー・フィッシュバッハー財団より寄託)
セガンティーニの色彩分割技法を用いた作品の中でも、傑作の一つとされています。この技法を用いることにより光だけでなく、牛の毛の質感、牛の口から滴り落ちる水のきらめき、雨上がりに光り輝く草原の風景をも再現することが可能になったのです。

マロヤ:アルプスの象徴主義

《生の天使》1892年 色鉛筆、パステル、コンテ・紙 セガンティーニ美術館
ここにはセガンティーニが当時示し始めていた象徴主義の傾向をはっきりと見て取ることができます。木の幹に座る子どもを抱きかかえた母親は、この世のマリアとしてとらえられ、現世の存在の死や没落に対して勝利するものとして描かれています。

《春の牧草地》1896年 油彩・キャンヴァス ブレラ美術館(ミラノ)
前景にはアルプスの牧草地、後景にはマロヤから西に延びるマロツ渓谷の山並みが描かれています。草をはむ雌牛とそのかたわらにいる子牛が、さらに牧歌的な雰囲気を強調しています。作品のテーマは母性ではなく、澄んだ光のもと広々と広がる風景のパノラマとなっています。

自画像

《自画像》1882年頃 油彩・キャンヴァス
セガンティーニ美術館(ゴットフリート・ケラー財団より寄託)
セガンティーニ24歳の時の自画像。首の右側にはナイフや剣と思われるモティーフが描かれ、斬首を象徴しているようにみえます。このイメージは洗礼者ヨハネやゴリアテなどの聖書に登場する殉教者・犠牲者たちを彷彿とさせますが、セガンティーニは自らを彼らになぞらえていたと考えられています。

シャーフベルクでの死、マロヤでの埋葬

ジョヴァンニ・セガンティーニ、ジョヴァンニ・ジャコメッティ
《二人の母たち》1882年頃 油彩・キャンヴァス ビュンドナー美術館(クール)
セガンティーニによって構図が確定された未完成作を、ジャコメッティが師へのオマージュとして完成させた作品。母と子、羊と子羊というモティーフによってあらわされた母性を主題としたこの作品から、二人の絆を伺い知ることができます。