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青磁のいま―受け継がれた技と美 南宋から現代まで

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第I章 日本に伝わった青磁 ー中国・南宋時代から明時代初期ー
第II章 近代の陶芸家と青磁 ー写しと創作ー
第III章 現代の青磁 ー表現と可能性ー

第I章 日本に伝わった青磁

中国から日本に伝来した陶磁器の中で、宮廷用の陶磁器を焼いた官窯や浙江省南部・龍泉窯の青磁は、室町時代の茶の湯の流行とともに貴重な茶道具の一つとして珍重されました。なかでも、南宋時代の龍泉窯で作られた淡い青色(粉青色)の青磁や、元時代後期から明時代初期の龍泉窯で作られた深い緑色の青磁は、日本では「砧青磁」「天龍寺青磁」と呼ばれ、特に釉色が美しいものとして大切に受け継がれてきました。この章では、後に多くの作り手が手本とし、創作の拠り所とした中国の青磁の名品を紹介します。




《青磁鳳凰耳瓶》龍泉窯 中国・南宋時代 13世紀
東京国立博物館


《青磁下蕪形瓶》龍泉窯 中国・南宋時代 13世紀



《青磁盤》官窯 中国・南宋時代 12-13世紀
東京国立博物館


《青磁輪花碗 銘 鎹》龍泉窯 中国・南宋時代 13世紀
マスプロ美術館


第II章 近代の陶芸家と青磁

日本で大切に受け継がれてきた青磁は、明治時代後期から大正、昭和の作り手たちの心を捉え、その作陶に大きな影響を与えました。彼らは、技法を教える師や書も無い中、陶片や資料を求め、作品の実見を繰り返し、多くの写しを試みました。器形、釉色、貫入までもが再現された「倣古品」は、古陶磁再現にかけた陶芸家らの想いの強さを物語ります。本章では、再現を通して培われた技術を生かして、次第に独自の青磁を作り出すようになった物故作家の作品を紹介します。

[出品作家] 11名 初代 宮川香山/三代 清風與平/初代 諏訪蘇山/板谷波山/初代 宇野宗甕/小森忍/河井寬次郎/石黒宗麿/岡部嶺男/清水卯一/三浦小平二




初代 諏訪蘇山《青瓷鳳凰耳花瓶》1914年 東京国立博物館


板谷波山《霙青磁牡丹彫文花瓶》1925年 東京国立近代美術館



岡部嶺男《翠青瓷大盌》1968年


清水卯一《青瓷大鉢》1973年 東京国立近代美術館


第III章 現代の青磁

再現や創作が難しいと言われた青磁ですが、先達たちのたゆみない努力と探求心により技術や技法が解き明かされた今、自身の想いを注ぎ込んだ表現が可能になりました。現代の陶芸家たちは、基礎的な研究をベースにし、それぞれの独自の思考に基づくアレンジを加えながら、様々な青磁作品を創り出しています。この章では、人間国宝から若手作家まで、第一線で活躍する現代作家らの多様な青磁表現を紹介します。

[出品作家] 10名 中島宏/髙垣篤/深見陶治/川瀬忍/神農巌/青木清高/福島善三/浦口雅行/若尾経/津金日人夢




深見陶治《屹》2012-14年


髙垣篤《茜青瓷-屹立》2005年 東京国立近代美術館



神農巌《堆磁線文壺》2012年


浦口雅行《青瓷輪刻彫文鉢》2013年