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「不思議の国のアリス展」作品紹介① ルイス・キャロル/画:ジョン・テニエル《切手ケース》

2020/03/20

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ルイス・キャロル/画:ジョン・テニエル《切手ケース》 1890年 ローゼンバック博物館・図書館

Lewis Carroll, The Wonderland postage stamp case. The Rosenbach, Philadelphia

 

子守をするかのような仕草で子ブタを抱きかかえる一人の少女―その名はアリス。

彼女こそが、ルイス・キャロルの名作『不思議の国のアリス』の主人公です。

物語は白ウサギの後を追って巣穴に落ちたアリスが、地下の国で様々な人や動物たちと出会い、奇想天外な冒険を繰り広げていくのですが、ジョン・テニエルによって描かれた挿絵は、キャロルが紡いだファンタスティックな世界観を見事に表現しています。

 

この作品はキャロル自身のプロデュースで商品化された切手ケースに描かれたもので、アリスが公爵夫人の家で預かった赤ん坊を戸外に連れ出すと、子ブタに変わって森の中へ逃げて行くという物語のワンシーンを初刊本の挿絵から選んでいます。

アリスの小さくきっと結んだ口元や、正面を真っ直ぐに見つめる大きな瞳は、今もなお観る者を虜にしてしまいます。

それは彼女の表情があどけなく愛らしいだけでなく、予期せぬ困難に遭遇しても決して挫けることのない芯の強さを秘めているからでしょう。

 

 

(t.t)