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錦絵の祖・春信の見立絵 鈴木春信「縁先美人(見立無間の鐘)]

2019/07/09

障子の影に映る賑やかな宴の様子とは対照的に、
思いつめたような表情で縁先に佇む白無垢姿の遊女が描かれています。
視線の先には手水鉢(ちょうずばち)と柄杓(ひしゃく)があります。
この作品は、撞けば現世で財宝を得るが、来世では無間地獄に陥るという「無間の鐘」の見立絵(みたてえ)です。
歌舞伎では人気の題材で、遊女となった梅ヶ枝が夫・梶原源太を助けようと、
手水鉢を鐘に見立てて柄杓で打つと、2階から小判が降るというのが代表的なストーリー。
山吹の花が小判を暗示しています。

 

この奇知に富んだ作品は、「錦絵」(にしきえ/多色摺木版画)の誕生に大きく寄与した鈴木春信が手掛けたもの。
春信は見立絵を得意としました。

 

鈴木春信「縁先美人(見立無間の鐘)」.jpg

鈴木春信「縁先美人(見立無間の鐘)」 明和4年(1767)頃、中判錦絵、 アレン・メモリアル美術館蔵

 

 

(s.o)