メアリー・エインズワースが愛した浮世絵

2019/05/29

メアリー・エインズワース(1867-1950)はアメリカでも早くに浮世絵の収集を始めた目利きの女性コレクターの一人です。
1906(明治39年)年、39歳の時に日本を訪れ、浮世絵に魅了された彼女は、以後約25年かけて1500点もの浮世絵版画を収集しました。

 

そのコレクションの第一号は、初期浮世絵で、石川豊信の作品だといわれています。
まず初期浮世絵を好む外国人コレクターというのは珍しいのですが、そもそも古いゆえに現存数が少ない初期浮世絵を、約90点も収集し、中には世界で一番しかない作品もあります。

 

それだけでなく、浮世絵版画の歴史を網羅するかのように錦絵(多色摺木版)の誕生に大きく貢献した鈴木春信や、錦絵の黄金期に活躍した鳥居清長や喜多川歌麿といった美人画や東洲斎写楽の役者絵、幕末の風景版画の人気を支えた葛飾北斎や歌川広重といった六大浮世絵師の作品が揃います。

 

特に広重作品はコレクションの過半数を占め、出世作の「保永堂版東海道」や最晩年の大作「名所江戸百景」といった代表作に美しい摺りの作品が多く揃っています。
彼女が来日したころは広重が亡くなってから50年に満たず、まだ作品は収集しやすかったと思われます。
ですが、とりわけ広重の風景版画を収集したのは、明治期に日本が急速に西洋化する中で失われつつある江戸の面影を作品の中に見出したのかもしれません。

 

エインズワースの没後、この素晴らしいコレクションは遺言により母校であるオーバリン大学に寄贈されました。この展覧会は、メアリー・エインズワース浮世絵コレクションの全容を、選りすぐりの200点で紹介する初めての里帰り展です。
これまでアメリカにおいてさえ、ほとんど紹介されることのなかった貴重な機会ですのでぜひ皆さまお越しください。

 

(s.o)

 

オーバリン展チラシ.jpg


 

 

「オーバリン大学アレン・メモリアル美術館所蔵
  メアリー・エインズワース浮世絵コレクション―初期浮世絵から北斎・広重まで」

会期:2019年6月8日(土)~7月28日(日)
観覧料:一般1,200(1,000)円、大高生・70歳以上800(600)円、中学生以下無料
*( )内は前売りおよび当日に限り20名以上の団体料金
*障害者手帳等をお持ちの方及び介助者原則1名は無料

 

★前売券:6月7日(金)まで販売
静岡市美術館(6月6日まで)、チケットぴあ[Pコード769-579]、ローソンチケット[Lコード45043]、セブンチケット[セブンコード072-698]、谷島屋(パルシェ店、マークイズ静岡店、高松店、流通通り店)、戸田書店静岡本店、MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店、中日新聞販売店(一部店舗を除く)