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「ターナーからモネへ」作品紹介③ ロセッティ《麗しのロザムンド》

2017/12/22

19歳のころから絵画を学び始めたロセッティは、ロイヤル・アカデミーの美術学校でも学びましたが、次第にアカデミーの古典偏性の教育に疑問を持ち、同じくアカデミーで学んでいたハントやミレイなどとともに、ルネサンスのラファエロ以前の美術に価値を見出そうとする「ラファエル前派兄弟団」を結成し、英国の美術に新風を吹き込みました。

 

本展出品作品の《麗しのロザムンド》は、中世の英国王ヘンリー2世の愛妾ロザムンド・クリフォードに扮した、画家の恋人を描いた作品です。伝説では、王はロザムンドを迷宮の中の小屋に閉じ込め、2人を繋ぐのは、一つの通路に張り巡らされていた赤い紐のみだったといいます。画面には、彼女を象徴するバラ(ロザムンド=「世界のバラ」)のモチーフが多く描かれています。

 

しかし王の姿や小屋の様子などは描かれておらず、ロセッティの関心は、伝説の忠実な再現というよりも、モチーフの質感や色彩、場面を覆う情感を描くところにあり、唯美主義的理想へ向かう兆候をここに見ることができます。

 

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ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ《麗しのロザムンド》1861年

ウェールズ国立美術館 ©National Museum of Wales

 

 

(k.o)