レイアウトとは

2016/11/03

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アニメーションは、人の手で描いた線を動かすことのできる、魔法のようなメディアです。

しかしその絵によって何かを物語り、ひとつの世界を表現するということは、並大抵のことではありません。

滑らかな動きを表現するためにはたくさんの絵が必要ですし、アニメーションの制作工程はとても複雑でこまかく分業化されています。

例えば『もののけ姫』のような長編作品の場合、スタッフ数は総勢2,000人、14万枚もの絵が描かれました。

しかし完成した作品を見ると、すべてを同じ人が描いたような統一感を感じませんか。

そのために最も重要な役割を果たしているものこそ、今回ご紹介するレイアウトです。

 

レイアウトは、映画全体の設計図である絵コンテの各画面を、23×35cm程度のレイアウト用紙に鉛筆で描いたものです。

これをテレビアニメの場合、毎週1話分(約20分)で300枚程度描きます。

レイアウトは複数人いる各場面の原画担当が描き、監督がそれを最後にチェック、修正します。

 

「宮さんはただ優秀なスタッフが欲しいんじゃないね。

 自分が何人も欲しいんだよ。

 毛を抜いてふっと息を吹きかけるやたちまち分身がバラバラッと飛び出す孫悟空みたいに」*

次から次へとレイアウトの手直しをする宮崎駿監督を横目で見ながら、ある日スタッフがそう言ったそうです。

 

レイアウトは下書きであるにもかかわらず、なぜ監督自らがここまでこだわるのか。

それは、レイアウトが各画面を決定づけ、以後分業される作業のすべては、このレイアウトどおりに進めていくからです。

だからこそ出品作品のレイアウトを見たら、きっとあなたの好きなジブリの名シーンの数々が見つかることでしょう。

 

完成したアニメーションからは知ることのできない、膨大な手作業の数々...

高畑・宮崎アニメの秘密を、レイアウトの中から見つけてみてください。

(m.y)

 

 

*高畑勲「レイアウトはアニメーション映画制作のキイ・ポイント」『スタジオジブリレイアウト展』図録

2008年 編集:スタジオジブリ、日本テレビ

 

「風の谷のナウシカ」©1984 Studio Ghibli・H