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ピーター・バラカンの「音を見る。アートを聴く。」 第2回目「脳が感動するとき」

2010/11/18

14日、静岡市美術館多目的室にて、
連続トークイベント ピーター・バラカンの「音を見る。アートを聴く。」
の第2回目「脳が感動するとき」を開催しました。

本イベントは、ブロードキャスターとして活躍中のピーター・バラカンさんを案内役に迎え、
毎回さまざまなジャンルを交叉させながら、人が「アートする」という行為について考える、
連続トークイベントです。

ちなみに、第1回目は8月8日に開催しました。
最初に、そのときのお話を少し...。


第1回目のテーマは「音楽が生まれるとき」。
コンゴ出身のミュージシャン「スタッフ・ベンダ・ビリリ」の資料映像を交えながら、
全ての音楽のルーツとも言うべき、アフリカ音楽の力強さやその魅力を
ピーターさんにご紹介いただきました。

 

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スタッフベンダビリリは、小児麻痺で下半身不随となったミュージシャンにより
結成されたバンドです。
しかも、本物のストリートミュージシャン...つまり、路上で生活しているんです。
楽器(※)や、自分たちの乗っている車いすは手作り。
※メンバー・ロジェの使う「サトゥンゲ」と言う一弦楽器。
拾った空き缶とギターの弦で作られいるんです!


しかし、そんな逆境にもめげることなく、前向きに、ひた向きに、
ただ音楽の力の信じて演奏しつづけてきた彼ら。
彼らの生き様はドキュメンタリー映画となり、
今年のカンヌ映画祭に出品、監督週間のオープニングでも大絶賛されました。

只今、静岡サールナートにて上映中です。(~26日まで)

 

力強い、心を躍らせるリズムや音に、
いつの間にかピーターさんも参加者の皆さんも、
身体でリズムを刻んでいました。...もちろん、私も!


 

さてさて、そんな第1回目に続き、
静岡県藤枝市出身の脳研究者・池谷裕二(いけがや ゆうじ)さんをゲストにお招きし、
「脳が感動するとき」をテーマに第2回目を開催しました。

 

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私たちは日々、音楽を聴いたり、絵や映画を観たり、
美しい景色を前にして感動します。
衣食住のように直接、生命の維持に繋がるわけ訳ではないにも関わらず、
有史以来ずっと続けられてきたこの行為。
きっと私たち人間が生き延びるために、必要な行為なのでは。。。

 

そんな思いから、アートと脳科学、その双方の関わりについて、
ピーターさんと池谷さんにお話いただきました。

 

全く分野の違うお二人の対談でしたが、
ピーターさんの音楽に対するこだわりと、池谷さんの分析的な見方や考え方が重なり、
会場からは終始「ほぉ~!」「えぇ~!」と、驚きの声が挙がっていました。

 

ピーターさんには、「人間の好ましい思う音の要素を全て集めた曲」と、
逆に「不快に思う音の要素を全て集めた曲」や、
ピアノのアタック音をとった音(大半の方は、ピアノの音には聴こえないのです!)など、
興味深い資料をご紹介いただきました。


池谷さんには、 人が好ましいと思うフォルム
...大抵それがデフォルメされているというお話や、
ネズミの長方形性...長方形の積み木を選ぶとえさを与えるように教えると、
その長方形より、もっと細長い長方形を好むようになる!
などなど。

他にも面白い資料をたくさんご紹介いただきました。


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興味深かった話題は
・西洋音階だと12音しかないのに、いまだに誰も聴いたことのないメロディが生まれ続けている。

・(アートはなぜ存在するの?)人間にとって身体を動かすことは快感だけれど、
もともとは何か別の理由があったのではないか。そこから快感のみを抽出したものが、
音楽であり、スポーツであり、芸術である。

・どんな文化でも、宗教と芸術を生み出している。それには必ず何か理由があるはず。
人は極限の環境でも、クリエイティブな活動をしたがる。

 

また、音痴の約7割が遺伝であり、且つ、音痴の人は空間認識能力が低いという話。
音も脳の中で立体処理しているのだそう!

 

お二人のお話の後には、会場の方からの質問タイム。
こちらも大変盛り上がりました!

その後はサイン会。
当日、当館ミュージアムショップには、お二人の著書コーナーが登場しました。
(現在もショップにて、お二人の著書をお買い求めいただけます!)


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ピーター・バラカンの「音を見る。アートを聴く。」
第3回目は、詳細が決まり次第、当館HPなどで告知いたします。


次回もどうぞお楽しみに!

 

(m.y)